被害の大きい直下型地震はどこでも起きる―。 ( ブログバトン )

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180908/KT180907ETI090007000.php

山肌をえぐる土砂崩れの多さに息をのむ。震度7地震に襲われた北海道厚真町の航空写真だ。もともと軟弱な火山灰層が雨水を含み緩んでいたという。信州から見れば丘陵のような緑の斜面のあちこちに茶色の絵の具を垂らしたよう

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長野市の真田宝物館にある「信州地震大絵図」を思い出させる。山は緑、崩落地は茶、土石流はこげ茶、土砂の堆積地は白と、善光寺地震の被害を色の違いで分かりやすく描いた横幅4メートル超の絵図だ。南は松本から北は飯山まで広範囲で詳細かつ正確だ

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不運なことに1847(弘化4)年の地震は御開帳で参詣者が大勢集まった夜に起きた。家屋がつぶれ火災が発生、死者は1万人前後と推定される。大規模な山崩れが多発し山間地も壊滅的だった。さらに犀川、裾花川などにできたせき止め湖が決壊、長野盆地を大洪水が襲った

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松代藩はなぜ詳しい絵図を描いたのか。当時の藩主は指導力に長け、老中も務めた8代真田幸貫である。幕府から援助を引き出しているが、大被害をアピールするためというより、記録し後世に伝える目的だったらしい。他の大名にも貸し出したという

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絵図は土砂災害の怖さが分かる貴重な史料だ。幸貫が登用した佐久間象山も後に地震予知の器具を作っている。藩はひるまず立ち向かおうとしたのだろう。北海道の地震を起こしたのは未知の活断層とされる。被害の大きい直下型地震はどこでも起きる―。あらためて心に刻みたい教訓だ。